将棋の館−盤上のドラマ−/平成最強者列伝/誰も気づかなかった絶妙手!
TANIGAWA1図
3冠vs2冠!平成4年(1992年)の竜王戦は今後の将棋界の中心を決める大一番だった。
さてTANIGAWA1図の次の1手は”常識外”の1手!
TANIGAWA1図以下△57桂▲79玉△76歩▲同銀△同飛▲54銀△同玉▲55歩△同銀▲24飛△同歩▲65角
△64玉▲76角→TANIGAWA2図
歩が成れるところへわざわざ△57桂!当時谷川は結婚後初のタイトル戦。
”新婚ボケか?”控え室の口の悪い人は言ったとか・・・
さらに▲65角に対し敵歩を取らずに△64玉!この手にも控え室は首を傾げていた。
実はTANIGAWA2図は後手の勝ちである。しかしそれに気づいたものは誰もいなかった。
たった一人、谷川浩司をのぞいては・・・
詰め将棋ばりの1手
TANIGAWA2図
TANIGAWA2図以下△68銀▲89玉△88歩▲同金△79飛▲98玉△89銀▲同金△同飛成
▲同玉△88銀まで谷川勝ち
△68銀!羽生も見落としていた絶妙手で、これで全てが終わった。
▲同玉は△69飛▲58玉△49飛成▲67玉△66歩▲68玉△69竜まで
▲68同金は△59飛。このとき▲69歩が利かない!そのために△64玉と、敵歩を取らずに逃げたのだ!
▲69銀合なら△同桂成▲同金△78歩▲68玉△57飛成▲同金△同歩成以下、もらった銀を手にしてぴったり詰み!
例えば、TANIGAWA2図だけをじーっと眺めていれば、あるいは△68銀に気づく人はいるかもしれない。しかしTANIGAWA
1図の段階で、ここまで読みきれるだろうか・・・
しかしながらこの七番勝負は3−4で谷川敗れる。棋界はこれ以降、羽生を中心にまわっていくのである。