将棋の館−盤上のドラマ−/平成最強者列伝/終局後のドラマ
▲谷川△南
平成3年(1991年)12月、谷川は7年ぶりに棋聖戦5番勝負に登場する。竜王・王位の二冠を引っさげ
対する南も棋聖・王将を保持し”二冠王同士の対決”である。
上図ではもはや南に受けはない。果たして谷川陣に即詰みは?
谷川vs南01図以下 △66角▲同金△77銀▲同桂△同歩成▲同金△58飛▲78歩△79銀▲同玉
△46馬▲88玉△96桂▲同歩△77桂成▲同銀△76桂▲同金△89金
▲同玉△59飛成▲98玉△97金▲同玉△99竜▲98桂△64馬▲75金打
まで谷川勝ち。
△77同歩成に▲同金が大事なところ。形だと▲同銀と取りたくなるが、それは△同桂成▲同金△48飛
▲78金打△79銀▲同玉△46馬以下の即詰み。77には銀を残し、68に利かせるのがコツ。
しかし谷川の▲78歩は失着で、もし△46馬のところ△68金なら▲88玉△77桂成▲同玉△67金打
▲同金△同金▲同玉△56飛成▲68玉△76桂以下の即詰みだった。しかし▲78歩で▲78桂なら詰まな
い。
谷川・南の両対局者も控え室の検討陣(プロ棋士八人)も”詰みなし”と判断し、感想戦を終え皆立ち上がろう
としたとき、記録係が言った。
”(上図で)単に△77銀なら?”
あわててもう1度検討してみたら、ピッタリ詰んでいたので、皆愕然としたそうである。
△77銀▲同桂△同歩成▲同銀左△同桂成▲同金△76桂▲同金△66角▲同金上△48飛▲78金△79銀
▲同玉△46馬▲68歩△同馬▲同金△88金▲69玉△57桂▲同金△68銀まで。
途中の△66角に対し▲同金寄も△77銀▲同玉△85桂以下詰み。
この1局の影響は大きく、谷川はこのあと第2局・第3局と連勝。3−0のストレートで棋聖を奪取し、3度目
の三冠王に返り咲いた。
塚田スペシャルに引導!