将棋の館−盤上のドラマ−/平成最強者列伝/理外の理を求めて
▲谷川△中原
第41期名人挑戦リーグ(現A級順位戦。当時は呼称が違った。)、新参加の谷川は
大活躍。7勝2敗で中原十段と挑戦権をかけてプレーオフを戦うことになった。
”谷川は良くやった。しかし・・・。”というのが大方の予想だった。
第1図以下 ▲75歩△同銀▲76歩△86歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲87歩
△82飛▲51銀
後手としては、75の銀が先手の77銀と交換になれば良しとしたもの。なのにわざわざ
1歩損をして銀を呼びこんで銀交換!今までの常識では考えられない指し方だ。
最終手▲51銀が谷川期待の一手!この手があったればこその▲75歩だったわけだ。
しかし中原の辛抱に谷川乱れる。中原が逆襲に転じ、谷川は苦戦を強いられる。
中原のリターン・マッチを思わせる第2図。しかし・・・
終局後のドラマ
▲谷川△中原
第2図以下 △35歩▲同角△45銀▲16飛△34銀▲73銀・・・以下、谷川勝ち
△35歩が敗着となった。△35歩では△45銀▲39飛△76金▲64角なら△62
飛がぴったりでやはり後手優勢だそうだ。
本譜最終手、角を逃げずに放った▲73銀!△65金の清算をはかったこの銀打ちが決め手
(と言っても、指し手はこのあと30手も続くのだが・・・)で、谷川が名人戦初挑戦を
決めた。
今にして思えば、常識にとらわれず踏み込んでいった▲75歩。この気概が挑戦権をも
たらしたのではないだろうか。
そして若武者・谷川は、名人戦でドデカイことをやってのけるのである!