将棋の館−盤上のドラマ−/棋界最強者列伝強手でライバルに逆転勝ち!
名人になりたかった。彼は名人になりたかっただろうと思う。他人よりも”持ち時間”の少ない
ことを、恐らく敏感な彼は察知していたに違いない。
しかし、そのためには目の前の相手−羽生善治を倒さねばならない。
この対局当時、羽生は5冠。ほぼ1年前、”夢の7冠”を達成したものの、その後棋聖戦で三浦に
竜王戦では谷川に敗れている。
MURAYAMA1図からの羽生の指し手は巧妙を極める。
▲56飛△24飛▲27歩△42角▲75歩△82歩▲76飛△75歩▲同飛△61金
82に歩を打たされ、されに折角寄った金を61に戻されては・・・先手好調を感じさせる。
激戦は続き、MURAYAMA2図。次の1手が村山の実力を示す1手。
MURAYAMA2図
△75飛▲66銀△74飛▲73角成△同飛▲52銀△同玉▲32飛成△71飛以下、村山勝ち
▲52銀が見えているのに△75飛!▲52銀なら△同玉▲32飛成△55飛。
▲66銀は飛車を追い、角を切る狙いだが△73同飛が好手で▲32飛成に△71飛がぴったり。
これ以降も激戦が続いたが、先手の79歩が最後までたたり、124手で村山が羽生を降した。
しかし、この3日後のA級順位戦最終日、村山は島に破れ陥落の憂き目をみる。
今思えば、この時病魔は確実に彼の体を蝕んでいたのだろう・・・
術後、深夜の死闘!神よ、村山のために泣け! 第56期B級順位戦−VS丸山