将棋の館−盤上のドラマ−/棋界最強者列伝/目を見張る一手!
1975年第24期王将戦は、中原VS米長3度目の対決。長い長い二人の
対決のまだ”序章”といったところか・・・
このときの七番勝負の内容は、バラエティに富んだものだった。注目すべきは
相矢倉が少なく、振り飛車が多いということ。この頃の米長は、まだ振り飛車が
多かった。
第1局 米長先手で”角頭歩突き戦法!” 例の”後手44歩止め”で中原先勝。
第2局 中原先手でひねり飛車。米長苦戦の将棋を”勢いのある悪手”で逆転勝ち。1−1。
第3局 米長先手で相矢倉。意表の仕掛けも若干無理だったか・・・中原2勝目。
第4局 後手米長の中飛車に中原は”46金戦法”。(若手諸君、知ってますか?)
断然優勢の米長、しかし、得意の終盤で逆転負け。中原防衛に王手!
この将棋の自戦記(米長)、最高に素晴らしかった!
”かつては、どうやっても勝ちの将棋が、今はどうやっても負けになっている。
男が一番つらい時だ・・・”
シビレタね。
第5局 後手中原四間飛車、先手米長玉頭位取り。米長快勝でカド番をしのぐ。
そして、第6局。
後手米長の三間飛車に先手中原は4筋超急戦の仕掛け。57銀とも68銀とも
あがらず45歩!
しかし、米長の強襲を浴びて苦戦。上図は眠っている竜・馬にカツを与えようと▲33飛。
これに対し△47馬なら、▲31飛成△71金打▲45馬△69桂成▲78金で、
”思ったほど後手は、良くなかったのかなー”となる。
しかし!しかしだ・・・誰が見たって上図は△47馬くらいだと思いませんか?
△69桂成▲36飛成△57桂成▲78金△68成桂引▲同銀△同成桂▲同金△88銀
▲同玉△68成銀▲79銀△69銀まで、米長勝ち
馬を見捨てて△69桂成!これには驚いた!本当に驚いた!当時私は中学生。数年前にプロ棋士の存在を
知り、興味を持ち始めていた頃だった。今日まで、将棋を指さなくなった時期はあっても、ずっと将棋界
を見つづけてきたのは、このときのこの将棋、いやこの一手のせいかもしれない・・・
米長連続の快勝でついに3−3。しかし中原のカベは厚く、つづく第7局(途中まで同型。中原が57銀左
と中央を厚くしてから45歩と仕掛けた。)に敗れ、惜しくもタイトル奪取はならなかった。
米長が中原を倒すには、さらに5年の月日が必要だった・・・
壮絶な幕切れ! 第4期棋王戦−VS加藤一