将棋の館−盤上のドラマ−/想いをはせて・・・/名人−選ばれしもの
”名人とは将棋の神様に選ばれたものである− いかに技量がすぐれていても、将棋の神様に選ばれなければ名人にはなれない” 中原名人の最盛期ぐらいまで、言われつづけていた言葉である。 僕は、この言葉が大嫌いだ。一見、名人の権威を高めているようなこの言葉は、 実は名人戦を戦うものたちを冒涜しているような気がする。 名人戦の勝者が名人になったのは、神様なんぞに選ばれたからではない、強いからだ! また、名人戦に敗れ傷ついた敗者を、”君は将棋の神様に選ばれなかったんだよ”と 言葉でも傷つけるつもりか! 素人がエラソウに言わせてもらえるのなら、名人は選ばれるものではない、勝ち取るものだ! 米長永世棋聖−彼もかつては”名人は選ばれしもの”と言ってはばからなかった。 しかしそれは自分で自分を苦しめる言葉となった。七度名人位に挑戦しても、彼はなお”選ばれなかった” のだから・・・ 8度目の挑戦で、中原を降したとき彼は言った。 ”名人は、”選ばれるもの”ではなく”奪い取るもの”なのですね・・・” 僕はこの言葉が好きだ・・・3月・順位戦の想い出